【京都大学図書館機構講習会】研究時間3割アップセミナー Web of Science講習会 Q&A

2016年12月14日に開催した、「【京都大学図書館機構講習会】研究時間3割アップセミナー Web of Science講習会 (医学部キャンパス)」での質問と回答です (内容は2016年12月現在)。
当日のプレゼンスライド(※学内限定※)はこちらです。

Q1: PubMedでは検索ワードにMeSHを割り当てて簡潔な検索ができますが、Web of Science (以下、WoS)でも同様にシソーラスを使った検索はできますか?

A1: WoSは引用文献索引データベースとして設計されていますので、そのような検索はできません。PubMedはMeSHによって概念の辞書構築を行っていますが、WoSは概念がわからなくても思いついた言葉で検索して、引用関係をたどっていくことでたくさんの文献を検索できるという想定で設計されています。状況に応じて両者を使い分けるのがよいでしょう。

Q2: EndNote Basicによる業績リストの作成で、WoSの収録文献は(引用情報も含めて)簡単に書誌情報をインポートできることがわかりました。一方でWoSに非収録の文献の場合EndNote Basic上で手打ちしなければならないのでしょうか?

A2: EndNote Basicには、CiNiiのような外部のデータベースの書誌情報を取り込む機能もあります [参照: EndNoteオンライン クイック・レファレンス・ガイド p.4]。この機能を活用すれば手打ち作業は減らすことができます。
ただし、書誌情報の取り込み元がWoS以外のMEDLINEなどの場合は引用に関する情報が取り込まれません。学会発表のようにどの文献データベースにも収録されないものを加えたい場合には、EndNote Basic上で手打ちによって追加する方法が有効でしょう。

Q3: WoSの検索フィールドのうち「トピック」の有効な使い方を教えてください。

A3: 「トピック」フィールドの検索対象は、具体的には次のものです。

  • タイトル
  • 抄録
  • 著者によるキーワード
  • KeyWords Plus (= WoSのアルゴリズムから抽出された引用文献のキーワード)

トピックによる検索は、関連しないノイズがたくさん含まれてしまうケースがあります。ノイズが多いようなら、「タイトル」フィールドを使って検索する方がよいでしょう。

Q4: 業績リストの提出にJournal Citation Reportsから調べたインパクトファクターを利用していますが、雑誌名が途中で変わっている場合があります。その場合はどのように考えればよいでしょうか?

A4: 業績リストにインパクトファクターの値を記入するのは元々オススメしていません。もし記入するなら、該当雑誌の最新版インパクトファクター値ではなく、過去に自分の論文がアクセプトされた時点のインパクトファクターを使うのがより妥当かと考えます。明確なルールはございませんので最終的には利用される方の判断になります。

Q5: 被引用数が確認できることと孫引きができることがWoSの大きな特徴だと思っています。Google Scholarでも同じようなことができて速さや量では優れているように思えます。Google Scholarと比較してWoSが優位な点について教えてください。

速報性では確かにGoogle Scholarの方が勝っています。Google Scholarは検索対象とする母集団が明確ではない中で、機械的に色々なものからの被引用数をカウントしています。WoSは母集団になる集合に一定の敷居 (例えば紀要等は除外されています) を設けており、その中での被引用数をカウントしているという点が大きく異なります。

Q6: 系統的レビューをやっていて引用文献検索をよく使っています。アスタリスク(*)で前方一致検索ができるなど、検索の諸機能に関するまとまったヘルプはどこかで参照できますか?

A6: まとまったヘルプはございませんが、引用文献検索に関連したヘルプ情報として以下をご紹介いたします。
■ヘルプドキュメント

Web of Science ビデオガイド (動画)

  • 「引用文献検索とは(3分)」
  • 「引用文献の検索の仕方(5分)」

Q7: 論文作成時に引用した文献をEndNote(デスクトップ版)にまとめておいてWordの論文に入れています。Googleで検索した論文や手元にある論文をEndNoteに入れたい場合、今はWoSなどで改めて検索し直した上でEndNoteに追加していますが、効率の良い方法はありますか。

A7: Googleで検索した論文や手元にある論文の形式によります。

書誌情報の場合:

電子ジャーナルのサイトか、京大で利用できるデータベース経由で書誌情報を入手しなおした方が効率的であると思います。各出版社やデータベース側にEndNoteインポート用の書式(RIS書式、EndNote書式、RefManなど)が用意されていることが多いはずです。

PDFの場合:

PDFをEndNoteにドラッグ&ドロップで取り込み、書誌情報を自動的に付与することが可能です。ただしこの場合、引用に関する情報はつきません。引用情報が必要な場合は、WoSで再検索していただく必要があります。

■補足1:Google Scholar (https://scholar.google.co.jp/)では、以下の設定を行なうと、書誌情報をEndNoteへ取り込むことができます。
1) トップページロゴ右上の「設定」から「Scholar 設定」をひらく
2) 「文献情報マネージャ」> 「EndNote」への文献取り込みリンクを表示する
3) 設定を「保存」する (設定ページが閉じる)
4) 文献の検索結果 書誌情報の下に「EndNote に取り込む」リンクが表示されるので、それをクリックしてEndNoteに書誌情報を取り込む。

■補足2:医学図書館で開催したEndNote講習会資料のご案内
 http://www.lib.med.kyoto-u.ac.jp/EndNote.html
過去に開催したEndNote(デスクトップ版)の資料・会場Q&Aは上記ページからご確認いただけます。

Q8: EndNoteのウェブ版とデスクトップ版を併用しているが同期できますか?

A8: デスクトップ版EndNote X6以降の「Sync(同期)」機能を使えば、デスクトップ版とWeb版のデータを同期することができます。

Q9: EndNote Basicはアカウントを作成しておけば自宅などからも使えることがわかりました。Web of Scienceもリモートアクセスできるのでしょうか?

A9: Web of Scienceを学外から使うには、京都大学情報環境機構が提供するPPTP接続またはIKEv2接続を利用する必要があります。(EndNote Basicのようにアカウントを取得しただけではリモートアクセスできません) [参考]電子リソースのリモートアクセスによる利用について

Created:2016-12-26