講習会「文献管理スキルアップ講座 はじめてのMENDELEY」
2016/9/30追記: 当日の会場Q&Aを追加しました!
2016/9/15追記: 当日の配布資料をアップロードしました!多数のご参加ありがとうございました。
2016/8/31追記: Mendeley Advisor齋藤先生(医学部循環器内科)のコメントを追加しました!
当日の会場Q&A (2016/9/30更新)
Q1:参考文献リストについて、MendeleyとWordを連携させたファイルを指導教員へ送り、校正等のやりとりに使っていますが、相手方でMendeleyの使用環境がないため連携機能がなくなってしまい困っています。Mendeleyを使っていない相手と、Word文書をうまくやりとりする方法はあるでしょうか。
相手方にMendeleyの使用環境がない場合、Mendeleyと連携したWordファイルをうまく開くことができないようです。Mendeleyの使用環境がない相手とやりとりする場合には、以下の【手順】のような方法が考えられますが、コメントの量が多い場合や何度もやり取りがある場合には現実的ではないかもしれません。
【手順】
- MendeleyとWordの連携機能を残したオリジナルファイルを手元に保存する
- MendeleyとWordの連携を解除した(手順はスライドp.42参照)ファイルを用意し相手方へ送信する
- 教員からのコメント入りでファイルが返送される
- 返送されたファイルとオリジナルファイルとの差分を手動で反映させる
Q2:Mendeleyから参考文献リストを簡単にコピー&ペーストできる(スライドp.44)ということですが、このリストの引用スタイルも変更できますか?
はい。引用スタイルも変更できます。以下の【手順】に従って操作してみてください。
【手順】
- 「View > Citation Style」で希望の引用スタイルを指定する
- リストにしたい文献を右クリックし「Copy As > Formatted Citation」でコピー&ペースト
Q3:文献検索にPubMedをよく使っています。他の文献管理ソフトだとSend toメニューのCitation Managerから(複数件/1件ずつ)取り込みできるのですが、Mendeleyでも同様の機能は使えるでしょうか?
MendeleyでもSend toメニューから取り込みいただくことができます。Send toメニューからCitation Managerの形式で出力したファイルは、[Add Files..](デスクトップ版)から読み込むか、Mendeley(デスクトップ版)の中央にドラッグ&ドロップすることによって取り込むことができます。Web Importerを使って取り込むこともできます。
Q4:Web Importerでは ページに出ている情報のうち、何が取り込まれるのですか?画面には、論文情報以外にも検索語や関連文献などが表示されていますが、それらも取り込まれるのでしょうか?
Mendeley側で論文情報として判断した主要なフィールドを取り込んでいます。
Q5:MacとLinuxとWindowsでMendeleyを使っている場合、同期を取ればどのOSでも使えるということでしょうか?
Linux版は使ったことがないのですが、技術的にはそのようになります。
Q6:Supplementary dataがある論文について、メインの論文のPDFを取り込むと一緒に取り込まれる機能はありますか?
ファイルは複数取り込むことができますが、動画などを入れると容量がいっぱいになってしまいますので、Details欄のURLフィールドのリンクなどで代用する方がおすすめです。Mendeley Dataという研究データを保存するサービスもあります。
Mendeley Data(英語)
https://data.mendeley.com/
Mendeley Dataについて(英語)
https://data.mendeley.com/faq#about
Q7:PubMedから論文情報をWeb Importerで取り込むとき「Download PDFs if available」というチェックがありますが、これで必ずPDFが取り込まれると考えてよろしいでしょうか?
あくまで、「可能な場合は」という条件付きですので、確実にPDFを取り込みたい場合は、電子ジャーナルのサイトからPDF付きで取り込むか、ダウンロードしたPDFを添付してください。
Q8:PDFを一か所にまとめる機能を使用するとローカルのPC上では同じPDFファイルが複数できるのでしょうか?
はい。スライドp.37のFile Organizer機能を使うと、最初に保存した場所(例えばデスクトップ上)とFile Organizerで指定した場所に同じPDFファイルが複数存在することになります。
Q9:書誌情報のみでPDFが存在しない状態で、ウェブに繋ぐとPDFを他から入手できるような機能はありますか?
残念ながらそのような機能はありません。
Q10:出版年の表示に関して最後の1桁や2桁が切れてしまうことがあるのですが、対処法はあるのでしょうか?
バグとして認識していますが、どういう場合に発生するのか把握できておりません。Mendeleyでは画面デザイン改修を進めており、質問いただきました点も対応すべき部分として認識しておりますが、こうすればすぐに直るという対処法をお伝えすることができません。
Q11:スライドp.36にある文献に付けるノートに関して、検索対象に含めることができるのは英語のみなのでしょうか??
全くできないわけではないのですが、Mendeleyは英語のような単語ごとに区切りのある言語を前提にシステム設計されているので、日本語の場合検索に不備の発生することが多くあるようです。日本語を検索対象に含めたいのであれば、やや不自然ですが単語ごとにスペースを入れるなどの入力を行う必要があります。ノート欄に字数制限があるかどうかは申し訳ありませんが把握できておりません。
Q12:Wordで参考文献[1]と[2]の間に、Insert Citationから新しい参考文献を挿入すると、新たに挿入した参考文献が[2]になる形で自動的に順序づけなどが反映されるのでしょうか?
はい。自動的に反映されます。その点は大丈夫です。
概要
Mendeley(メンデレー)は学術論文の管理とオンラインでの情報共有を目的とした、完全フリーの多機能文献管理ツールです。ウェブ版とデスクトップ版を組み合わせて文献を管理できます。本講習会ではMendeleyを提供するエルゼビア社から講師をお招きし、Mendeleyの基本的な使い方を学びます。
※会場にPCはありません。
※PCの持込は可能です。(KUINS-Airに接続可)
※講師が画面操作のデモを行いながら説明します。
Mendeleyデスクトップ版をインストール済のPCをお持ちいただければ、お手元でも操作を確認しながらご参加いただけます。
■ PCへのMendeleyインストールについて
○Mendeleyを使用するにはユーザ登録が必要です。
(Scopusなどエルゼビア製品のアカウントをお持ちの場合はそのアカウントでサインインできます)
○MendeleyはWindows、Mac、Linux、iOSに対応しています。
○インストール方法等の詳細はクイックレファレンスガイド(エルゼビア社提供)をご覧ください。
日 時 |
(1) 2016年9月14日(水) 15:00 - 16:00 (2) 2016年9月14日(水) 17:00 - 18:00 ※ 各回とも同じ内容です |
場 所 | 医学部構内 基礎医学記念講堂 ※ 下記参照 ※ PC持込可 |
対 象 | 京都大学学生・教職員 |
内 容 |
はじめてのMendeley ・PDFから書誌情報を自動的に抽出 ・PDFの整理、自動命名、注釈機能 ・各種ウェブデータベースから文献を取り込み ・Wordに参考文献を希望のスタイルで挿入 ・グループで文献を共有 ※ 講義後、30分程度質疑応答の時間を設けています。 |
講 師 |
エルゼビア・ジャパン株式会社 ソリューションコンサルタント 高橋 昭治 氏 |
申 込 | ※申込は不要です。直接会場にお越しください。 |
問 合 |
京都大学医学図書館 TEL: 075-753-4323 E-mail: medlib [at] mail2.adm.kyoto-u.ac.jp |
Mendeley Advisor 齋藤先生からのコメント
Mendeleyによる文献管理 / 医学部循環器内科 齋藤成達 (Mendeley Advisor)
私が大学院に進学した2003年は文献が紙媒体から電子媒体に移行しつつある時期でした。その頃はpubmedで検索して医学図書館へ行って原本をコピーしてファイルする、といった作業を頻繁にやっていたように記憶しています。その後電子媒体への移行は急速に進みましたが紙媒体→電子媒体への移行の過程でPDFファイルでダウンロードした論文をどのように管理するかという問題が生じ、多くの研究者はフォルダを作成してその中に論文を保存するという作業をしておりました。これはこれで煩わしく良い文献管理ソフトがないか探していたころに見つけたのがMendeleyでした。いや、正確に言うと08年-09年ころはFirefoxのPlug-inであるZoteroを使用していたのですがMendeleyがでるとそちらに移ったというほうが正確です。
その後はしばらくMendeleyを紹介するためブログを書いたり、リストにない引用文献スタイルを作成したりということをやっていました。私がMendeley Advisorになったのは日本人で確か3人目であったように記憶していますがAdvisorになると容量を無料でアップグレードしてもらえるというのが正直な理由でした。
Mendeleyはクラウド上に文献を保存するためWindowsでもiPhoneでも同じように文献にアクセス可能であり、さらには論文作成の際には引用文献リストも作成できるという優れものです。現在5000本以上の論文をMendeleyで管理していますが安定して動いていますし、Mendeleyのword plug in を利用して書いた論文も10本以上になるかと思います。
Endnote、Refworks、など競合するソフトは多々あるのですが、Mendeleyはもともと英国の博士課程の学生3人が自分たちのために開発したソフトということで非常にユーザーフレンドリーでした。リリース当初は文献管理を通じて研究者同士のネットワークを構築し、研究を加速させる、みたいな試みが感じられたのですが最近はそのような試みが減ったようにも思い少し残念にも感じています。
いろいろと雑感を述べたのですがMendeleyは私にとってなくてはならないアプリケーションの1つで、PCやスマホを更新した際には真っ先にインストールするアプリの1つです。 [2016-08-31]
開催会場
Create : 2016-08-24 Last Update:2016-09-30